ベンジャミン・ウェストのモノローグ
いやはや困りました。
いえ、病院に霊がいることではありませんとも。そんなことは日常茶飯事、今更どうこう言うことではないのです。
では何に困ったか――ここには知り合いが多すぎる。
普段は口も利けぬ幽霊ばかり相手にしているせいか、どうにも人間とは話すのが苦手です。
やれやれ、いい女の一人もいれば違うのですが……。
-市内、病院-
君たちは、今、市内の病院へきている。
マークは、友人への見舞いへ。
ベンは、この病院にただならぬ雰囲気を感じて。
ギュスターヴは、入院患者なので。
ベンとギュウスターヴは知り合いということにしましょう。
マークは友人と話をしている。
全員、いっしょの病室だね。
…と、いうところで、全員〈冷静〉+〈知性〉で判定をしてみてくれ。
レベルの合計分だけダイスを振って、8以上の目を数えるんだ。
10が出たらそれを1成功として、もう一個ダイスを振れる。
垣間見える昏い秘密
このゲームの知覚は一応〈機知〉+〈冷静〉を提唱してる。でも、知覚に関しては、特性の臨機応変な組み合わせが推奨されてるわ。だからこのストーリーテラーみたいに柔軟なのは、中々いいわね。
〈冷静〉+〈知性〉=●●●●● ○○○○○ 【 1 , 4 , 9 , 7 , 4 】
1成功。
〈霊感〉は利かない?
利かない。
〈冷静〉+〈知性〉=●●●●● ●○○○○ 【 4 , 1 , 9 , 6 , 8 , 4 】
2成功。
〈冷静〉+〈知性〉=●●●●● ○○○○○ 【 5 , 4 , 6 , 2 , 3 】
失敗。
成功した人は、病室の外で女性と看護婦がなにやら揉めているのが見える。
「騒がしいな……ここは病院だぞ?」
「また、あなたですか!?お見舞いでもないのに病院をうろうろするのは止めてください!」
「すいません、すぐ終わらせますから…(なにやらブツブツ)」
というような具合だ。
積極的に係わり合いは持ちたく無いので出て行ったりはしませんが、注意深く見てます。
ベンジャミン・ウェストのモノローグ
ふむ。あの女性、「終わらせる」とは、ちょっと妙な言い方ですね。普通の人は聞き流すんでしょうが、私はちょっとそんな言い方に敏感なのです。言わば職業病ですか。
とは言えいきなり話しかけるのも不躾というもの。親しい看護師にでも聞くとしますよ。
「あの方、この前お爺さんがなくなられてから、この病院でなにかしてるみたいで…不安だわ」
「亡くなっているのにどうして病院へ?」
「さあ…もしかして、こっちのミスだとか思っているのかしらねえ。
いやだわ、再就職先を探すのも大変なのに」
ベンジャミン・ウェストのモノローグ
なるほど、亡くなったお爺さん、ね。
こりゃ、お近付きになるチャンスですな。問題はストレートに行くと胡散臭がられることですが……まあ、気長にチャンスを待つとしましょう。
それよりこのおばちゃん、話が長いですね……。
看護婦の取り留めもない話に巻き込まれている間に、マークの話に移ろう。
「やあ、マーク。今日は大丈夫だったのかい?」と、但し筆談で友人が言う。
「元気そうで、本当に安心したよ。もう食事も摂れるの?」
「流動食だけどね」
「今は、まだ、チューブとかが入ってるけど、しばらくすればもっと動けるようになるさ」
と、その時だ。
天井の蛍光灯が2,3回点滅したかと思うと、ふっ…と、病院の電気が消える。
マーク・アンテロープのモノローグ
きたよきたきた。
おいらは元々アウトドア派なんだ。というか、都会が肌に合わない。
なのに病院なんかに来るから……。都会の建物は、何か潜んでそうで怖いんだ。いや、逆に何もいなさそうで怖いって言うべきかな?
この停電もそんなのに関係ないといいんだけど……。
本が読めないじゃないかっ!
ムッっとして周囲を見渡す。
にわかに周りが騒がしくなり…数分後、再び電気がつく。
「停電だ……医療機器は大丈夫?」
「只今、院内の電源を予備のものに切り替えております。不要な電子機器類は、しばらくの間使用なさらないようにお願いします」
さて、ギュスターヴ。〈知性〉+〈科学〉でロールだ。他にも、持っている人は振っていい。
〈知性〉+〈科学〉=●●●●● ●●●●○ 【 7 , 1 , 8 , 1 , 2 , 10 , 9 , 7 , 3 】
10の振り足し(『WoD』p.140) 【 8 】
4成功。
〈知性〉+〈科学〉=●●●●○ ○○○○○ 【 9 , 7 , 7 , 6 】
1成功。
じゃ、分かることが一つ。病院の電源周りは、君が知る限りもうちょっと強固なはずだ。突然停電で、予備電源を使い始めるというのは只事じゃない。
テロかも!と思ったね<偏見
「おいおい、大丈夫か……?
私が退院するまでは何事も無いといいが」
マーク・アンテロープのモノローグ
あーあ、やっぱり。
人為なんかで支配できるものは少ないのに……。
でもま、友人も心配がっているし、ちょっと見に行くか。
あれ、病室を出た人が他に二人いる。この人たちも原因が気になるんだろうか?
ここからは、情報収集の判定をしてもらいます。
垣間見える昏い秘密
いよいよミンナ大好き情報収集のお時間ね。このストーリーテラーは今回は下の方法を使うってプレイヤーに提示したみたいよ。
アナタも私を探してみる? もっとも、どんなにがんばったって私の実体なんて掴めるはずないけどね。ふふふ。
ハウスルールです?
一応ハウス。
ただまあ、ルールの適用としては普通。
よかった、PC1で……。 (編注:ハンドアウトで〈コネ〉を渡されているから)
マーク・アンテロープのモノローグ
様子を見るってもなあ。
取り敢えず、よく分からないけど二人についてこう。聞き込みなんてしてるし、友だちの不安を晴らせるようなことも漏れ聞こえて来るかもしれない。
でも、院内で医療ミスについて調べるのはどうかと思うよベンさん……。結局大きなミスは無かったみたいだから、いいようなものの。
んじゃ〈コネ〉+〈冷静〉で病院関係者に聞いてみるかな?
「さっきのアレは何が原因だったんだ?なんなら機械を調べてもいいが」と
〈コネ〉+〈冷静〉=●●●●● ○○○○○ 【 6 , 4 , 10 , 7 , 4 】
10の振り足し 【 9 】
2成功。
「いや、それが実は原因がよく分からなくてね…最悪、近隣から電線を引こうと思ってるんだが…とりあえず、実は地下の非常電源が妙な音を立ててるらしいんだ。良ければ、そっちを見てきて欲しいんだが。
あれが止まると、厄介なことになるんだ。頼むよ」
「ふむ。医療機器ならお手上げだがそれくらいなら何とかなるだろう。まあ任せてくれ」
「別の意味で気になるんだが……一緒に行っていいか?」>ギュスターヴ
ベンをちらっと見て。少し考えてから頷きます。
「ああ、人手がいるかもしれない。手伝ってくれると助かる」
「おいマーク、ちょっと手伝って欲しい事があるんだが、今大丈夫かい?」
「停電らしくてね,業者が来るまでしばらくかかるみたいなんだ>マーク」
「うん、停電だけど、みんな話を聞いてくれなくて。助かったよ。」
(コッソリと)「どうも……機械の故障じゃない……気がする」
「あなたのことを信じるのは…もうこれっきりにしたいなあ」
といいつつ、何かあるのかもと思う。
「3人いれば何とかなるかな?とりあえず行ってみようか」
ギュスターヴ=ゴーチェのモノローグ
オレたちは地下に降りた。薄ら寒い風が吹き抜けてくる。
……ドアが開いてる?
世話になってる病院だし、ちょっと電源を見るくらいなら構わんが……マジでテロだとかは勘弁してくれよ? オレはただの入院患者なんだからなッ!
中には……女がいるな。
それから――
「業者がきてたみたいだね、よかったよ」
足を踏み入れると、そこには、さっき看護婦といい争っていた女性がいる
「なに?一体どうしたの!?」
女性は1人で叫んでおり、周辺では机や小物が、ガタガタと音を立てている。
発電機のランプも不安定に明滅している……。
「な、なんじゃこりゃぁ?!」
マークは、驚いてベンのほうを見た。
「ねえ、ベン、どういうこと……」
「えっ…あなたたちは!?」
女性の方を掴む。
「どうしたんですか!?」
〈説得〉ロールもしていいよ。
〈外見〉かな。
〈外見〉+〈説得〉=●●●●● ○○○○○ 【 2 , 6 , 4 , 2 , 9 】
1成功
一応成功か、じゃあ、彼女はしぶしぶながらも口を開く。
「実は、その…祖父が、何か怒っているようなんです」
「亡くなられたのではないのですか?」
「そうなんですけど、ここにいるんです!」と、虚空を指差す。
「止めたいんですけど、私の話を聞いてくれなくて…」
ベン、〈機知〉+〈沈着〉で判定していい。
〈機知〉+〈沈着〉=●●●●● ○○○○○ 【 3 , 4 , 10 , 4 , 1 】
10の振り足し 【 9 】
2成功
じゃ、そこに幽霊がいて、しかもイライラしていることが分かる。
何かを叫んでいるようだが、人の言葉をなしていない。
ベンジャミン・ウェストのモノローグ
やはり、でしたね……。
このお嬢さんにお祖父さんの霊が憑いている、と。
こういう時の対処法は、そう、霊の言うことは無視すること。
意外? 霊に常識は通じませんよ。
だから私達は、その部屋を出ました。
部屋の外に出ると、だ。
大きな男――結構な年だ――が立っている。