老人と手紙――WoD リプレイ

はじめに

 これから始まるのは『ワールド・オブ・ダークネス(WoD)』のリプレイです。WoD とは? リプレイのストーリーテラー(GM)である Show さんの日記から抜粋してみましょう(一部改変)。
引用元:http://d.hatena.ne.jp/silly-walks/20050322

『ワールド・オブ・ダークネス』

ISBN:4-7753-0402-X

 2004年夏に米国ホワイトウルフ社からリリースされ、2005年に新紀元社からリリースされた本書は、米国では同時発売、日本では近刊予定の Vampire:the Requiem から始まる新しい World of Darkness(以下WoD)シリーズの基本ルールブックになります。今後発売されるシリーズをプレイするためには必須ですので、WoD シリーズを購入される際はご注意ください。

WoD とは

 本書から始まる新 WoD シリーズは、「モダンホラー」をプレイするゲームとしてデザインされています。PC が恐怖の対象に出会い、もがきながらそれを乗り越えていく…そういったシナリオをプレイするものと思ってください。本書には残念ながら、敵となりうるデータは幽霊たちしか記載されていませんが、あなたの想像力を駆使して、あるいはサプリメントの Antagonists を利用することで、様々なパターンのシナリオを遊ぶことができるはずです。シナリオに困ったなら、書店に行ってホラー小説を一冊手に取れば、それがシナリオにできるでしょう。ただし基本的には、本書は今後のサプリメントのために基本的なルールを提供するためのものです。単体で遊びつづけることは正直困難ですので、別途 Vampire:the Requiem(VtR),Werewolf:the Forsaken(WtF),Mage:the Awakenings(MtAw),あるいは Antagonists といったサプリメントの紹介をご覧ください。

 もう一つ、旧作の展開にも触れておきます。WoD と名づけられたシリーズは、本書以前にも長らくホワイトウルフの看板商品として出版され、サプリメント数が増加するにつれて様々な設定が追加されてきました。しかし同時に、肥大化した設定を扱い切れなくなり、ある意味では非常に遊びづらいゲームになってしまいました。そこで、本書から始まった新シリーズでは設定を一新し、サプリメントにおける追加設定などはあくまで「選択して導入するものだ」と位置付けられるようになりました。VtR に代表される基幹サプリメントも、記述が整理されてそれだけで長期の(あるいは短期でも)プレイに耐えるものになっています。それ以外のサプリメントを導入すれば面白く遊べるでしょうが、多数のサプリメントを導入しなければ遊べない、詰まらない、ということはないと思います。

基本ルールブックの内容

 基本的な判定について・キャラクターの作り方・車両/長所/武器といったデータ・生き物のデータ・幽霊キャラクターの作り方(ただし NPC)が基本ルールに含まれます。また、シナリオの作り方や回し方のガイドも書かれています。

何ができるの?

 本書単体では、前述のようにホラー小説のようなシナリオが中心になるのではないでしょうか。恐ろしい怪物が現れ、PC たちは怪物の謎を解いて目的を果たすため(その目的は、怪物の撃退かもしれませんし、友人の救出かもしれません)に奔走する…という遊び方が基本的です。

今後の展望

 本書はあくまで基本ルールブックですから、上で紹介しただけが WoD の遊び方ではありません。すでに出版されたヴァンパイアとワーウルフ、今後出版されるメイジを導入することで吸血鬼、人狼、魔法使いといった種族をプレイすることが可能になります。彼らは単なる怪物ではなく、それぞれ深い設定や動機や独自の社会を持っている「人間に近い怪物」です。そういった存在を操り、吸血鬼同士の闘争の中で奮闘したり、人間として生きる道を模索したり…あるいは、怪物そのものとして、怪物の側から見た裏返しのホラーを遊ぶことさえできます。

 英語ではありますが、VtR や WtF には無料でダウンロード可能な、簡易ルール付きキャンペーンシナリオも存在します。本書を購入して遊んだら、次はそういったものに手を出していくといいのではないでしょうか。

 分かりましたか? 分かりましたね? それでは、早速リプレイを始めましょう。プレイヤー名が「ST」となっているのはストーリーテラー(Storyteller)のことです。

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