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ノドの書 ― 群影記 5. 奉仕する者について |
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汝がカインの力を授けし選ばれた者らを呼び寄せて
汝が家に住まわせて身辺を警護させるがよい。
余人がこれらの護衛を〈抱擁〉しないようにはからえ。
適切な時期に汝の血を飲ませよ。
しもべの力を汝の力とせよ。
陽光にも怯むことなき力とせよ。
しもべの目を汝の目とせよ。
昼にも見える目とせよ。
しもべの耳を汝の耳とせよ。
汝がまどろんでいる間にも聞こえる耳とせよ。
汝に仕える者らがセツの子らの中で
最も偉大にして権威あるものと目されるようにせよ。
血族の豪奢な衣服で着飾らせ、
血族の優しい音楽を愉しませ、
我らの葡萄酒の甘さを知らしめよ。
我らをして、妨げ傷つけんとする者どもから彼らを守らしめよ。
もししもべの一人が他の血族に屠られることあらば、
我らをして義憤に立ち上がらしめよ。
なぜならいかなる血族にも
他の血族のしもべを殺す正当な権利はないからである。
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