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ノドの書 ― 群影記 6. 月の獣について |
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月憑きの獣、姿変ゆる者たちは、
いかなる者より古き一族、
我が父よりも昔から
この一族は野山を闊歩していた。
月の獣の通り道にはとどまらず、彼らを避けよ。
月の獣は羊小屋に忍びこんだ狼のように
我らに襲いかかるだろうから。
我らと彼らは相容れぬ種なのだ。
くれぐれも月の獣の聖地に踏み入るな、
山野では忍びやかに歩め、そこは彼らの領域だから。
彼らの牙は我らの牙に等しく、
彼らの鉤爪は我らの鉤爪に等しい。
月の獣の通り道にはとどまるな。
我らと彼らは相容れぬ種なのだ。
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