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ノドの書 ― 群影記 8. 覚醒者について |
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魔術の母、闇のリリスは
彼らのうちで最も偉大な者の一人ではあるが、
〈覚醒〉したのはリリスだけではないし、
これからもそういう者は増えるであろう。
彼らの血を飲んではならぬ。彼らは汝を虜にするだろうから。
彼らに警戒を怠ってはならぬ。彼らは狡猾無比である。
彼らはアダムの知識とイヴの知恵をもっている。
彼らは火をもたらせし者。
土を耕せし者。
家畜を牧する者。
文字をもたらせし者。
彼らは太陽の一族、昇る星々である。
彼らは己の旅に汝らをも巻き込もうとするが、
抗え! 抗え! 彼らの道は
餓えも、血も、肉体もうち捨てる道。
暁に向かって輝く目をした者を信じてはならぬ――
ゆめ忘れるな、暁こそが汝の死をもたらすのだということを。
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