Werewolf Revised Updateの考察

Jan. 2, 2000 改訂

WtA 第２版を Vampire Revised の新ルールに合わせるためのWerewolf Revised UpdateがWhite Wolf Onlineにアップされました。ここでは第２版の旧ルールと対比しつつ、実際のゲームに適用された場合に予想される影響を考えてみます。

最初にオリジナルテキストを読むことをお勧めします。

1. Skill: Repair をCraftに名称変更。

従来：名前に反して、機械を扱う判定全般に広く使用されていた。

影響：せっかくルールを覚えたプレイヤーが混乱する（笑）名前からは用途の推察がしづらい技能であることには変わりない。

2. Garouをはじめ総てのChanging Breedにおいて、キャラクター作成時に与えられるBackgroundポイントは一律５点。

従来：種族ごとに異なる。明記されていない種族もある。

影響：Garou 以外の種族をＰＣにしやすくなる。旧ルールでは概して３点程度と低めで、使いづらい感があった。しかもPlayers Guide 第２版ではInitial Gnosis, WillpowerなどＰＣを作成する際の指針が設定されていながら、Backgroundに関しては何の言及もない。

3. Fiannaのギフト〈Howl of the Banshee〉の発動には、Charisma+ Intimidation（難易度６）の判定が必要になる。

従来：Gnosis１点を消費すれば自動的に発動する。

影響：第２版のバグです。でないとギフトの効果時間が算出できません（第２版p.127に"...run in terror for one turn per success."とある）。思うに、こんなところでこっそり直さなくてもエラッタに入れろよ。

4. 判定がBotchになるのは、難易度以上の出目が１つもない状態で１の目が出たときのみ。成功数を１の数が上回ったときは、通常の失敗となる。

従来：成功数より１の数が上回れば無条件に Botch。

影響：Botch の発生率が激減する。個人的に第２版のシステムはファンブル率が高すぎると思うので、変更されたのはうれしい。

5. イニシアティブは 1d10 + Dexterity + Wits の値の高い者順になる。負傷によるペナルティーはこの値から差し引かれるが、キャラクターがFrenzy状態の場合は無視してよい。

従来：Wits + Alartness (難易度４）判定で成功数の多い者順。ダイス・プールに負傷ペナルティーの修正を受ける。

影響：旧ルールでは Ahroun など Physical Attribute を優先したキャラクターが Wits の高い知性派キャラクターに先手を取られ続けることが多かった（戦闘なのに！）が、この変更で公平になった。

6. Vampire Revisedでは、攻撃の命中判定で２個以上成功した場合、正味の成功数（成功数−相手のDodge判定の成功数）をダメージ判定のダイス・プールに加算できる。ただでさえダメージの期待値が高いWerewolfにこのルールを適用すると、戦闘が致命的になりすぎるので、攻撃手段ごとのダメージ・ダイス・プールを低めに変更する。

他の白兵戦武器についても、Vampire Revised pg. 214の武器表のデータを用いることを推奨する。

従来：攻撃の命中判定はダメージ判定に影響しない。攻撃に「ファンブル」はあっても「クリティカルヒット」はなかった。

影響：戦闘バランスが非常にデッドリーになる。Vampireでさえこのルールを採用しないＳＴは少なくないようだ。ましてWerewolfでは、ダメージプールを１個や２個減らしたところで焼け石に水。

7. 人間は Bashing Damageを通常どおり、Lethal Damageを難易度８で Soak できる。Aggravated Damage に対してはSoak判定を試みられない。

従来：再生能力のない人間に対しては通常ダメージもAggravated ダメージも関係ないので、BiteもPunchも実質的に与える損害は同じという奇妙な現象が起きる。

影響：人間が死にやすくなる。

8. ワーウルフのHealth Levelが負傷によりIncapacitated以下に下がったり、何らかの原因で気絶した場合、ただちにBreed Formに戻る。これを変更して、〈Primal Urge〉の値に等しいターン後に、Breed Formに戻ることにする。こうすればRage 判定を行い起死回生を試みることができる（第２版ルールブック pg. 199, Critical Wounds and Battle Scars 参照）。また、Wits + Primal-Urge（難易度８）の判定に成功すれば、回復するか死亡するまで倒れたときの形態を維持することができる。

従来：第２版にはこのような記述は見あたらない。後のサプリメントにおける変更か？

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