私のもとに寄せられたヴァンパイア度テストの結果を見ると、驚くほど多くの人々が吸血鬼に狙われやすい傾向を有しているようです。人間でありながらヴァンパイア度が極端に高いのは危険な徴候だと私は考えます。かくいう私も、テストの結果は絶対に人には言えないほど高い点数だったのですが……。「危険な徴候」と言ったのは、我々には多かれ少なかれ吸血鬼をなんとなくロマンチックなものとしてとらえる傾向があるからです。個人的には、吸血鬼は額に注意書きを付ければいいのにと思います。煙草の箱に印刷されているあのイヤミったらしい文句のように、「注意:吸われ過ぎはあなたの健康に重大な害を及ぼす可能性があります――公衆衛生局」と。

そこで、ヴァンパイア度テストでYesの数が非常に多かった人間のために作ったのが、このヴァンパイアの餌食度テストです。言うまでもなく人間専用です。各設問を読んで、選択肢の中から1つを選んでください。

では、十字架を用意し、杭を削り、ニンニクを浸した聖水を頭からかぶることです。幸運を祈ります。

設問

  1. あなたが真夜中に一人で家にいると、ふと玄関をノックする音が聞こえた。気味悪く思いながらも、なぜか引き寄せられるようにドアを開けてしまう。そこに立っていたのはなんと吸血鬼だった。吸血鬼はあなたをひょいと抱え上げて、どこかに連れて行く。そこで吸血鬼が言うには、「私は5年間棺桶に閉じこめられていたので、少々喉が渇いている。ほんの少しでいいからあなたの血を飲ませてもらいたい。そうすれば無事に家まで返してあげよう」そいつはちょっと間をおいて付け加える。「約束するよ」さて、あなたはどうする?
    1. 念書を書いてくれるなら飲ませてもいい。
    2. 飲んでもいいから自分を吸血鬼に変えてくれ、と懇願する。
    3. 十字架を突きつけて神様に祈る。
    4. 嫌いな人々の住所をいくつか教えて、その代わり自分には手出ししないでくれと頼む。
    5. 困ったときはお互い様だから、飲ませてあげる。
  2. 秋の夜長、あなたは恋人と誕生日パーティーをしている。日頃から秘密主義なところがある恋人だが、あなたの恋心はいっそうつのるばかりだ。突然、恋人はあなたがプレゼントした見事な花束を脇に置いて、気さくな口調で、実は自分は吸血鬼なのだと打ち明ける。あなたはどうする?
    1. それなら今すぐ自分を吸血鬼に変えてくれ、と懇願する。
    2. 冗談を言ってその場をごまかす。
    3. ベッドで血を吸わせてあげる。
    4. 聖水の瓶を投げつけて、そいつが退散するように祈る。
    5. きっぱり別れてハワイに引っ越す。
  3. いつものように職場(学校)に行くと、友達のジョンが亡くなったことが話題になる。しかし考えてみれば、先週だけで、あなたの友人は4人も死んでいるのだ。殺人かもしれないと思って調べてみると、なんとあなたの友人の一人が吸血鬼だと判った。あなたはどうする?
    1. 吸血鬼と戦う。
    2. ハワイに引っ越してすべて忘れる。
    3. そいつに今すぐ自分を吸血鬼に変えてくれ、と懇願する。
    4. 杭を削って、そいつが眠っている間に打ち込む。
    5. 警察に電話して吸血鬼を捕まえてくれと言う。
  4. あなたが参加した吸血鬼関連のメーリングリストには、どうやら本物の吸血鬼も混じっているようだ。実際、あなたはオフ会で数人の吸血鬼と顔見知りになった。ある晩、吸血鬼の知人が(狙った獲物は必ず殺すと自慢している奴だ)やってきて言うには、かねがね目を付けている獲物がいるのだが、そこに行くまでに1時間ほどかかるので、逃げないよう金縛りをかけるのに少々血が必要だそうだ。あなたはどうする?
    1. 飲ませてやるから自分を吸血鬼に変えてくれ、と懇願する。
    2. 「獲物から余分に飲めば済む話じゃないか」とつっぱねる。
    3. メーリングリストに参加している他の人間の住所を教える。
    4. その吸血鬼をタコ殴りにする(あるいは切り刻む)。
    5. 飲んでもいいが、おまえの血も味見させてくれ、と言う。
  5. あなたは恋人にふられて、クリスマスイヴを一人寂しく自宅で過ごすはめになった。ストーブのそばで温かい飲み物をすすりつつ本を読んでいると、ふと背後に気配を感じる。振り向くと、なんとそこにヴァンパイアが(性別はお好きな方で)立っていた。しかもいままで見たこともないほど素晴らしい美形である。あなたは怖さも忘れて、今すぐヴァンパイアの胸に飛び込んで、どこへでも連れていってくれと言いたい気分になった。さて、ここで問題。彼/彼女はあなたを吸血鬼にしてあげると言っているが、あなたはどうする?
    1. ひざまづいて今すぐそうしてくれ、と懇願する。
    2. まずその吸血鬼がどんなタイプ(アン・ライス風とか、ドラキュラ風とか)なのか確かめてから、おもむろにひざまずいて懇願する。
    3. 一日体験コースはないのかと尋ねる。
    4. 断って、他の人の住所を教える。
    5. 断るが、その晩だけいっしょにいてくれたら自分の血をただであげる、と言う。
  6. 心地よい春の夜、満月の下、あなたは豪華ヨットに乗って、今までつきあった中でいちばん美形の彼女(彼氏)と夕食を共にしている。辺りを照らすのはキャンドルの灯と月の光だけ。デッキの下では友人たちがバイオリンで静かな曲を奏でている。彼女(彼氏)といちゃついていたあなたは、突然、相手が吸血鬼であることに気が付いた。さて、どうする?
    1. 尿意を催したふりをしてトイレの窓から脱出し、救命ボートに飛び乗って逃げ出す。
    2. それとなく首を噛んでみるように仕向ける。
    3. 今すぐ自分を吸血鬼にしてくれ、と懇願する。
    4. 別に何もしないが、コックにステーキは必ずレアで出すように言いつける。
    5. あとでお互いの血を味見してみないか、と相手を誘う。
  7. あなたは吸血鬼の友人と自宅で二人きりである。この友人は、あなたの血にだけは手をつけないと自ら約束してくれている。あなたは台所でサラダの野菜を刻んでいたが、うっかり包丁で自分の手を切ってしまった。さあ、どうする?
    1. 血を洗い流して傷を隠し、友人が気づかないことを祈る。
    2. 友人の顔の前で血を見せびらかして、笑う。
    3. 友人の顔の前で血を見せびらかしてから、突然ひざまづいて自分を吸血鬼にしてくれと懇願する。
    4. バスルームの窓から逃げ出し、車に乗ってとっととずらかる。
    5. ハワイに引っ越す。
  8. 町内を吸血鬼がうろついているという噂がたった。そんなある晩、当の吸血鬼がやってきて、かくまってくれと言う。吸血鬼はとても美しく魅力的で、くらくらするほどだ。「私はあなたが吸血鬼好きだと知っています。もしかくまってくれるなら、お礼にあなたは噛まないと約束しましょう」あなたはどうする?
    1. 台所に走っていって包丁でわざと手を切り、駆け戻ってきてその吸血鬼の前で血を見せびらかしてから、突然ひざまづいて自分を吸血鬼にしてくれと懇願する。
    2. 承知するが、機会がありしだいバスルームの窓から抜け出してバイクに飛び乗り、とっととずらかる。
    3. ちょうどハワイに行くところだったので、どうぞくつろいでくださいと言っておく。
    4. 何か暇つぶしになるような読み物をあげる(このホームページのような)。
    5. そんな約束をしなくても、自分と寝てくれたらかくまってあげると言う。
  9. あなたは人気絶頂の映画スターだ。今夜も最近お気に入りの愛人を連れて、自家用ヘリで豪邸に帰ってきた。ベッドで情熱的に抱き合っているうちに、とつぜん愛人が首に噛みついたかと思うと、あなたは頭がぼうっとして気絶してしまった。気が付くと朝で、愛人はいなくなっている。枕元には「あなたがベッドであんまり素敵だったので、つい我慢できなくなって血を吸ってしまいました。ほんとうにごめんなさい」という書き置きがある。あとは足元にガラスの靴が片方残っているきりだ。さて、あなたはどうする?
    1. こんなアホらしいテストはもうやめる。
    2. 愛人が見つかるまで、世界中の人間(らしき者)にガラスの靴を履かせてみる。
    3. その辺でヴァンパイアを見つけて自分もヴァンパイアに変えてもらう。
    4. 賞金を出して愛人(ヴァンパイア)に関する情報提供をつのる。
    5. 休暇をとってハワイに行く。
    6. 愛人のことは良い思い出として、今度はもっと長続きしそうな相手を探す。
  10. のんきなことだ。これをただの心理テストと思っているね? じつはテストを始めた時からあなたの背後でヴァンパイアがずっと見ていたのだ。今もだぞ。嘘でも、はったりでも、冗談でもない。まさに今、あなたの後ろにヴァンパイアがいて、あなたがこれを読んでいるのを見ている。そいつは初め黙っているので、どんな奴なのかは判らない。干からびるまで血を吸い尽くすかもしれないし、少し血を分けて欲しいだけかもしれない。いやそもそも、あなたを襲うつもりかどうかさえ判らない。そのヴァンパイアが喋ることが本当だという保証はないし、あなたが今考えていることが、ひょっとして最後の思考になるかもしれない。もちろんあなたには、そいつが心を読んだり、怪力を出したり、空を飛んだりするかどうかも判らない。そいつは不死身かもしれないし、そうでないかもしれない。少なくともそいつがヴァンパイアだということは確かだ。しかしあなたはヴァンパイアではない
    1. 逃げる。
    2. 何か質問してみる。
    3. 気絶する。
    4. おかしなそぶりを見せたら、即座に攻撃する。
    5. いろいろ質問してから、実はヴァンパイアになりたいと思ってるんだと打ち明ける。

お疲れさま。質問は以上です。回答を以下の表と照らし合わせて得点を求めます。10〜40点の範囲におさまるはずです。

このテストは、あなたがどれくらいヴァンパイアになりたいと思っているかを測るものです。従って得点が低いからといってヴァンパイアに襲われないわけではありません。単に、もし設問のような事態があなたの身に起こっても(そんなことは万一にもないでしょうが)あなたがヴァンパイアの餌食になる可能性は低いだろう、というだけのことです。得点の高い人は、どちらかといえば進んでヴァンパイアに噛まれたがるでしょう。詳しくは診断結果を見てください。

 
 
 
 
 
 
 
 
10 

診断結果

15点以下

もし設問のような事件がおきたら、あなたはヴァンパイアの餌食にはならないでしょう。しかしそんなことは万が一にも起こらないので、いずれはヴァンパイアの餌食になると思います。

16-24点

あなたはおおむねヴァンパイアに近寄らないだけの分別を備えています。しかし連中はちょっとした心の隙につけ込んできますから油断禁物です。ま、ヴァンパイアになるのもそんなに悪くないと思いますが。

25-33点

ヴァンパイアのファンがここに一人、と。夜にナンパされたら用心することです。相手に『あなたのヴァンパイア度チェック』をやってもらいましょう。もし高得点を出したら、たぶん逃げたほうがいいでしょう。とはいっても、どうせあなたは逃げないでしょうけどね。

34-40

ヴァンパイアのカモ――しかも理想的なカモ。あなたのような人間が本当にいたらどんなにいいだろうとヴァンパイアも願っているでしょう。ずばりあなたはヴァンパイアに熱烈に憧れていますね? 機会さえあれば、死より不死を、人間よりヴァンパイアを選びかねないタイプです。

作者の個人的コメント