これはカインが王として、
エノクを治めていた時に、
セツの子らについて語った言葉。
法治者カインの言葉を聞け。

「アダムの三番目の息子、
セツの子孫に連なる者らを
統治する権利は我々にある。
セツは私の末の弟だからだ。
我々はセツの子供たちを
我が子同様に見守ろう。
また彼らには
正しき道を指し示そう。
そうすれば彼らは礼として、
昼のあいだ我々に仕えるであろう。

彼らは太陽が空を渡るあいだ我々に仕え、
我々の家をミカエルの炎が損なわぬよう、
火消しの水を傍らに携えて見守る。
彼らは我々の糧ともなれば、衣服を織ってもくれる。
彼らは我々のために踊り、歌を捧げてもくれる。
彼らは我々の傍らで眠り、慰めを与えてもくれる。
彼らは我々のために助言し、我々は彼らの助言に耳傾けるだろう。
彼らは我々を崇めるだろうが、しかし我々を崇拝させてはならない。

汝はセツの子らの神になってはならない。
そのようなことをすれば〈天に在す主〉が天の国で嫉み、
カインの血筋をとこしえに滅ぼすであろう。
思い起こしてもみよ、
面立ち優しきアシュタルテの末路を。
金色に肥えたバールの末路を。
力強きタンムズの末路を。
もし我々がセツの子らに対して神のようであれば、
彼らは〈天に在す主〉が授けた武器を
手に立ち上がり、我々を打ち倒すであろう。

汝がセツの子らを導くときは、羊飼いが羊の群れを牧するようであれ。
必要とあらば間引くがよい。
汝はセツの子らの血を清くせねばならない。
彼らがみな病から免れるように。