1.World of Darkness 総合

1.1 このサイトはいったい何なんだ?

当サイトは、米国 White Wolf Game Studio から出版されている一連のテーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム (TRPG) 製品、『ワールド・オブ・ダークネス(World of Darkness)』シリーズのための非公式サイトです。

これらのゲームをより一層遊ぶのに役立つ非公式資料を、わたくし劇場支配人の独断と偏見により海外のサイトから厳選・翻訳し、書庫風に収録しております。(一部、支配人書き下ろしの拙文もあります)

当サイト内の全ての資料は、国内外のワールド・オブ・ダークネス(以下 WoD と略)愛好者がニューズグループやメーリングリスト、ホームページを通じて公開している非公式なものです。White Wolf 社の設定と食い違ったり、旧設定に基づいている場合があります。ご了承ください。

1.2 こんな大量のFAQは読みたくない。

もしあなたが『ワールド・オブ・ダークネス』という言葉を初めて目にするなら、1〜2に目を通してから、3〜5項は最初の質問だけを読んでください。これで概要はお分かりいただけると思います。他の質問は、ゲームの内容をもっと詳しく知ってからでないと、何のことか判らないかもしれません。

1.3 TRPG(テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム)って何?

パソコンや家庭用ゲーム機で、「ロールプレイングゲーム(RPG)」と呼ばれるジャンルのゲームを遊んだことはありますか。『ディアブロ』や『ファイナルファンタジー』、『ドラゴンクエスト』などが有名ですね。プレイヤーは主人公になりきって架空の世界を冒険し、主人公の選択によってその冒険物語は変化してゆきます。また、話が進むにつれて主人公が少しずつ成長していくのも特徴です。

実をいうと、RPG自体はパソコンやゲーム機が家庭に普及する以前から存在していました。メモリカードではなく紙と鉛筆、ゲーム機ではなく人間とサイコロを使って。もっとも、パソコンゲームのように1対1でやると結構わびしいので、普通4〜6名ぐらいでテーブルを囲んでわいわいやります。テーブルを囲んで喋りながら(トーク)遊ぶロールプレイングゲームなので、テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム、略してTRPGと呼ばれているのです。今でも世界各国で数多くのファンに親しまれており、ゲームの一ジャンルを確立しています。

えっ、コンピューターRPGもやったことがないから判らない? それはどうも失礼を……しかし、本格的に語ると本が一冊書けてしまうので、別のホームページをご紹介しましょう。
 初心者のためのRPG入門
こちらを見ていただくと、もう少し具体的な説明があります。

1.4 欧米で人気だそうですが、どこがそんなに凄いの?

まず、「ゴシック・パンク」をテーマに築き上げられた、ダークな魅力をもつ背景世界「ワールド・オブ・ダークネス」の存在があります。「現代の地球とよく似ているが、もう少し暗く荒んだ世界」なので、プレイヤーがなじみやすく、なおかつ架空の設定を取り入れやすくなっています。各国の主要都市をとりあげた地方設定資料集が立て続けに出版されたこともファンの心をくすぐりました。TRPGをされる方ならお分かりでしょうが、自分がよく知っている地元を舞台にゲームをするのは楽しいものです。各製品が同じ基本システム、同じ背景世界を共有しているので、複数の製品を組み合わせたクロスオーバー・シナリオも気軽に楽しめます。

このゴシック・パンク世界を冒険するプレイヤー・キャラクターとなるのは、これまたゴシック小説でおなじみの吸血鬼、人狼、亡霊といった、人間のようで人間でない怪物たちです。従来のTRPGでは冒険者に倒されるモンスターにすぎなかった彼らを、White Wolf 社はあえて主人公に持ち込みました。超人的な力を発揮するヒーローとして楽しむこともできますが、シリーズ共通のテーマとなっているのは人間性と怪物性の葛藤。自分の中に理解を絶する非人間的な部分があると知った者の恐怖です。このテーマが、フィルム・ノワールを彷彿とさせる背景世界とあいまって、WoDシリーズを「大人のTRPG」に位置づけています(サプリメントの中には「成人向け」と断り書きがついたものも(笑))。

また、シリーズ一貫してTRPGが持つ「みんなで一つの物語を作り上げる」という側面をきわめて重視しているのも大きな特徴です。基本ルールブックからして、「良いストーリーを演出するためなら、どんなルールも無視してよい」と断言しています。ここまでストーリー志向を明確に打ち出したTRPGは、WoD 登場当時はあまりなかったのです。

最後に忘れてはならないのは、『ライブ・アクション・ロールプレイング (LARP)』という斬新なプレイ形態を提唱したことでしょう。ルールをぎりぎりまで簡略化し、プレイヤーが仕草も台詞も(凝る人は服装までも)キャラクターになりきって演じる、即興演劇に近いプレイスタイルは欧米のゴシックロック好きを魅了しました。日本ではまだあまり一般的でないようですが、海外の WoD サイトを見ると、LARP専門のところが実に多い。メイクから衣装からばっちりゴシック風にキメたプレイヤーの写真を掲載しているところもあり、実に楽しそうです。日本でも普及しないだろうか。

1.5 World of Darkness シリーズのゲームにはどんな製品がありますか?

2001年8月現在、White Wolfからは以下のゲームが発売されています。

どのゲームも単独で遊べますが、基本システム「Storyteller System」と背景世界「ワールド・オブ・ダークネス」はすべてに共通なので、複数のゲームを組み合わせて遊ぶことも可能です。各ゲームについては別セクションに概要を紹介していますので、そちらを参照してください。

先に挙げた製品はいずれも現代を舞台にしていますが、一部の製品については時代設定を過去に移したバージョンもあります。時代背景に合わせて細かい設定がかなり変更されているので、上記のゲームのサプリメントではなく独立した別ゲームという位置づけになっているようです。こうしたオールド・スタイルのWoDゲームには、次のような製品があります。

さらにもうひとつ、『Trinity(トリニティ)』というゲームがあります。未来を舞台にしたSF系のTRPGです。他の作品と同じ Storyteller System を使用していますが、背景世界は World of Darkness とまったく異なるものです。

1.6 英語は苦手なんだけど日本語版は出ていないの?

2000年8月、シリーズ代表作『Vampire: The Masquerade』の日本語版ルールブックがアトリエサードから出版されました。

『ヴァンパイア・ザ・マスカレード 日本語版』
 (徳岡正肇他訳、アトリエサード発行、書苑新社発売、ISBN4-88375-021-3)

原書の魅力であった装丁やレイアウトを完璧に再現した、英語版ファンにも嬉しい造りになっています。また、同年12月にはサプリメント第1弾としてGuide to Camarilla (WW2302) の日本語訳が発売されました。

『ガイド・トゥ・カマリリャ』
 (徳岡正肇他訳、アトリエサード発行、書苑新社発売、ISBN4-88375-024-8)

2001年7月にはサプリメント第2弾 Vampire Storytellers Companion が発売されています。

『ヴァンパイア・ストーリーテラー・コンパニオン』
 (クレイトン・オリヴァー著、山本達他訳、アトリエサード発行、書苑新社発売、ISBN4-88375-031-0)

2001年8月には、シリーズ第2作『Werewolf: The Apocalypse』も翻訳されました。

『ワーウルフ:ジ・アポカリプス 日本語版』
 (ホワイト・ウルフ・ゲーム・スタジオ著、福嶋美絵子訳、アトリエサード発行、書苑新社発売、ISBN4-88375-033-7)

2002年には『Mage: The Ascension』が翻訳されるとか。人気ゲームなのに長らく日本語版が出ず、みな諦めていた矢先の出版ラッシュで、ありがたいですね。

『TRPG:サプリ』で雑誌サポートもされています。今後が楽しみです。

もちろん、それ以前からWorld of Darknessの魅力にほれこんで、原書の私家訳を作って遊んでいるファンも大勢おられます。実際、Vampire, Werewolf以外のシリーズ製品は依然として英語版しかないですし、膨大なサプリメントが日本語化されるのはまだまだ先の話でしょう。

まあ、英語といっても文章は平易なので、高校の教科書が辞書片手に読めれば大丈夫でしょう。教科書よりぜったい面白いしね。原書を読んでいるうちに辞書無しで英語を読めるようになったという人もいます。案外、あなたの近くにも原書で遊んでいる人がいるかもしれませんよ。

1.7 ルールブックやサプリメントはどこで売ってますか?

日本語版のルールブックやサプリメントはホビーショップに置いてありますし、普通の書店でも取り寄せてくれると思います。インターネット書店で注文する手もありますね。アトリエサードのホームページでも通信販売しています。

他の製品については、英語版の原書をとりよせることになります。どの本も非常に綺麗な装丁で、一見の価値はありますよ。

いちばん確実なのは、White Wolf Onlineのオンライン通販コーナーです。物によってはインターネット本屋として有名なアマゾン・コムで割引販売しているので、ぜひのぞいてみましょう。日本語サイトもできたことですしね。(英語が出来るなら、Amazon.comの方をチェックしてみましょう。日本語サイトには無い品もいろいろ在ります)他には円ドルレート換算で洋書が買えるスカイソフトなども便利です。早いし。

インターネット通販は信用ならん? だったら国内で探すことになりますねぇ。TRPGのルールブックを置いているようなホビーショップなら、原書を置いているかもしれません。そういう店が近所になければ、洋書を置いている本屋で取り寄せられるか尋ねてみましょう。ただ、相当日数がかかるのは我慢するしかないです。

どのゲームも、とりあえず基本ルールブックを買っておけば遊べます。値段はだいたい25ドル〜28ドルぐらいです。余裕があれば Players Guide や Storytellers Handbook があると便利です。他のサプリメントは、まあ最初からあせって買うことはないです。

ああ、これを忘れちゃいけない。10面体サイコロがたくさん要るんです。一度に5〜6個、多いときだと8〜9個振ることになります。各人でそれだけの数を持っていれば理想的ですが、なければ共有してもいいので、最低10個は確保しましょう。ちかごろは東急ハンズなどでも置いているみたいです。

1.8 ルールブックが高くて買えません。

対策その1:まじめに働く。(それで買えたら苦労はないという方もおられるでしょうが)
対策その2:ギャンブルに賭ける。(失敗して借金を負っても責任はとれませんが)
対策その3:彼氏ないし彼女に貢がせる。(相手がこのテの分野に理解ある人物である場合に限りますが)

と、冗談は大概にしておいて、White Wolf Online では Quickstart Kit ないし Introductry Kit と称して、一部のゲームの簡易ルールをPDFファイルで無償公開しています。現在公開されているのは

Quickstart Kit は、簡易ルール、世界設定の概略、入門シナリオがついた、ビジュアル的にも内容的にも充実した内容です。200〜300頁の正式ルールブックよりは敷居が低いですから、どんなゲームか概要を知りたいとか、ためしに一度遊んでみたい方はまずこの Kit をダウンロードしてみてはどうでしょうか。

問題は……全部英語なんですけどね。

残念ながら、Vampire: The Masquerade 日本語版の簡易ルールはありません。

1.9 製品の正誤表は公開されていますか?

はい。一部は後から出たサプリメントに収録されていますが、ほとんどはインターネット経由で入手できます。WW社の公式ホームページの Download→Errata コーナーで、お手持ちの製品の正誤表(エラッタ)が公開されていないかチェックしてみることをお勧めします。

ただし、困ったことに、ゲームデザイナーがニューズグループに投稿したものなど、公式ホームページに公開されていないエラッタも存在します。少し古いですが、ファンが製作したエラッタのリンク集のひとつにhttp://machno.hbi-stuttgart.de/Arcanum/errata.htm(英語サイト)があります。こちらを覗いてみるのもよいかと。

1.10 英語版の原書を読んでいますが、辞書を引いても出てこない単語が出てきて困っています。

White Wolf のTRPGは、とにかくゲームデザイナーが実在の単語をもじってでっちあげた固有名詞が多いです。ほとんどは固有名詞で、すぐ造語と見当がつくのが救いですが、発音表記など書いてあるほうが珍しいので、適当に見当をつけて読むしかありません。Vampire: The Masquerade については、ビデオドラマやコンピューターゲームになったこともあって、それらの発音にならう人が多いようです。

ゲームをするために斜め読みする程度でしたら、中学高校で買わされる学習英和で充分用は足ります。しかし、巻頭小説や歴史・地理の設定もきちんと読んでみたい人は、この際、もっと収録語数の多い英和辞典を入手することをお勧めします。大学の講読の授業などで、『リーダース英和』や『ランダムハウス第2版』を買わされた人はラッキーです。この2つに載っていない単語はよほど特殊な単語か造語と思ってだいたい問題ありません。

これから買ってみようという人には、電子ブック版『リーダース+プラス』やCD-ROM版『ランダムハウス英和辞典第2版』も選択肢の一つです。特に前者は、リーダース英和と、その追補のリーダース・プラスという2冊の辞書が1枚の電子ブックになったもので、紙の辞書で同じ物を揃えるよりとても安く済みます。えっ、専用プレーヤーを持っていないから使えない? いえいえ、実は電子ブックはカートリッジを開けて中の CD-ROM を取り出せば、パソコンでも読み込むことができるのです。Windows なら DD-Win, Mac なら Jamming という、電子ブック読み込み用のシェアウェアがあります(DDWin はフリーだったような気も)。CD-ROM版の辞書の利点は、手で引くより遥かに高速だということです。ハードディスクに余裕があるなら、丸ごとコピーしてしまえばさらに高速になります。判らない単語も即座に判るので辞書引きのストレスはぐっと減るでしょう。

どうしてもお金をかけずに判らない英単語を調べたいむきには、インターネットのホームページから辞書を検索できるオンライン英和辞典というものがあります。私がよく使うのは「英辞郎」でしょうか。当サイトの「案内板」にもいくつかの役立つリンクを紹介しています。

1.11 キャラクターシートをパソコンから印刷できるって本当?

White Wolf社の公式サイト「White Wolf Online」から、キャラクターシートをPDF書類の形でダウンロードできます。ルールブック付属のものよりなにげに豪華だったりします。ここにしかないオリジナルシートもありますよ。

残念ながら、現在は英語版シートのみです。

PDF書類の閲覧・印刷にはフリーソフトの「Adobe Acrobat Reader」が必要ですが、Adobe 社のホームページからダウンロードできます。最近はパソコン雑誌の付録CD−ROMにも付いてきます。
 →Adobe Acrobat Readerのダウンロードページへ

1.12 ルールの解釈に疑問があるんだけど、どこで訊いたらいい?

当サイトの掲示板を初め、案内板に収録したWoDサイトにはBBSを併設しているところが多く、ルールに詳しいファンが集まっています。TRPG.NETにもWoDの総合的な話題を扱っているWOD_FREEという掲示板があります。

英語ができる方は、質問を出す前に、ぜひWhite Wolf OnlineのGamesコーナーにあるFAQを読んでみることをお勧めします。また、ここのフォーラムやメーリングリスト(英語)で質問すると、非常に早く大勢の解答が得られますので、てっとりばやく人の意見を聞きたい方には便利かと。ただ、あまりにも多様な意見が寄せられすぎて逆に迷ってしまう可能性もありますが……

1.13 WoD TRPG はコンピューターゲームになってるって本当?

Vampire: The Masquerade を原作としたWindows用アクションRPG「Vampire: The Masquerade - Redemption」が出ています。V:tM の設定を充分に反映しており、有名NPCキャラも登場するとあって原作ファンに好評のようです。Diablo や Ultima Online のようにオンラインで遊べる上、プレイヤーの1人がストーリーテラーになってゲームを仕切ることもできるとか。

現在、日本語マニュアル付属の英語版が発売されていますが、ダイアログ等も日本語化した完全日本語版も近日発売される予定とのこと。楽しみですね。

公式サイトからデモ版(英語)をダウンロードできるようです。

また ASC Games より出る予定の「Werewolf: Truth of Gaia」は、製作がかなり遅れているようで「開発元から新しい情報が入り次第お知らせします」とのWhite Wolfの声明が出ています。

1.14 トレーディング・カード・ゲームも出ているそうですね。

Vampire: the Masquerade をベースにした「Vampire: the Eternal Struggle」と、Werewolf: the Apocalypse のトレカ「Rage」が出ています。どちらもトレカブームの起爆剤となった Magic: the Gathering の発売元、かのWizards of the Coast社から発売されています。

 →Vampire: the Eternal Struggle の公式ホームページへ
 →Rageの公式ホームページへ

「Rage」は昔、日本語のサマリールール付きで出回っていたことがあるようです。

Changeling: the Dreaming ベースの「Arcadia: the Wyld Hunt」というゲームもありましたが、これは現在絶版になっています。

1.15  シミュレーションゲームも出てるって本当?

現在は残念ながら絶版ですが、昔は「Trinity: Battleground」という製品がありました。TRPGのTrinityと同じ世界設定を用いたものです。

私はシミュレーションゲームをやったことのない軟弱者なので、詳しい内容は判りません。ごめんなさい。実際に遊んでみた方の情報求ム。

2.骰子回転劇場の記事について

2.1 誰が執筆/翻訳しているの?

執筆者はこちらで判る範囲で、記事の末尾に記載しています。訳者も一緒に記載していますが、基本的に劇場支配人(Professor)です。英文のオリジナルテキストと、収録サイトへのリンクも張っていますので、英語で読みたい方はそちらを訪れてみてください。

2.2 V:tM 日本語版と違う訳語が使われている記事があるけど?

当サイトは日本語版ルールブック発売前から存在しており、当時の記事には私家訳版の訳語を用いているものもあります。混乱を防ぐため、順次日本語版における用語に統一していく予定です。

2.3 用語に英語表記を併記している場合があるが、どういう基準でつけているのか?

未訳ルールブック/サプリメントに登場する用語に関しては、原則として原語を併記するようにしています。ただし、当サイトの記事を読むのは概ね WoD をある程度知っている方だと思われるので、ネットで一般的な訳語、ないしカナ表記から原語が推定できる単語(Mage がメイジ、Garou がガルゥなど)は英語併記していないことが多いです。

2.4 記事を引用/転載したいんですが。

引用するときのおねがい

転載するときのおねがい

2.5 うちのストーリーテラーはこのサイトの記事と違うことを言っていますが?

当「骰子回転劇場・転」の全ての記事は、海外のWoDファンが執筆・公開しているテキストの翻訳か、劇場支配人 Professor の書き下ろしのどちらかです。

当サイトの記事における解釈はすべて非公式であることをご了承ください。

ほら、トップページにも書いてあるでしょう? Unofficial Archive って。

White Wolf 製品に限らず全てのTRPGにあてはまる鉄則ですが「ストーリーテラーの解釈が最終決定」です。

だから、このサイトに違うことが書いてあるからといってストーリーテラーと喧嘩しないでください。頼みますぜ旦那。

私も World of Darkness 製品を全部買って読んでいるわけではないので、どうしても古い情報や勘違いな記述が登場する場合もあると思います。もし、サプリメントやルールブックと違う記述に気付かれましたら、BBS喫茶『転』やメールで教えていただけると助かります。

3.Vampire: The Masquerade

3.1 Vampire: The Masquerade(ヴァンパイア:ザ・マスカレード)とはどんなゲームですか?

時は現代。人類の繁栄の影には、それを闇から操る不老不死の吸血鬼――ヴァンパイアたちがいた。彼らは「人類にヴァンパイアの実在を知らしめてはならぬ」という〈仮面舞踏会(マスカレード)〉の掟のもと、巨大な秘密結社カマリリャを形成している。最初のヴァンパイアは、アダムとイブの最初の息子、弟殺しの罪で神に不死の呪いをうけ、ノドの荒野に逐われたカイン。その血にこめられた力と呪いを継承するヴァンパイアたちは、自らのことを「血族」と呼ぶ。

血族を真に滅ぼすのは陽光と炎、超自然の力による攻撃のみ。心臓に杭を打っても動きを封じるだけだ。ニンニク・流れ水・十字架が彼らを遠ざけるというのは俗信にすぎない。もっとも、永劫に老いることなく、歳を経るほど様々な特殊能力を身につけていくのは伝説通りだが。

血族は人の姿と心を持ちながら、人の生き血を啜らねば生きていけない。避けようとしても、〈獣〉と呼ばれる吸血鬼の自己保存本能がそれを許さず、狂乱のうちに愛する者を屠ってまで不死の身を永らえさせようとする。己の魂に棲む〈獣〉と〈人〉の葛藤、それがこのゲームのメインテーマである。

敵は内なる〈獣〉ばかりではない。血族社会には厳しいヒエラルキーがあり、歳経た強大な血族が、若く経験の浅い血族を支配している。歳経た血族は若い血族を無知と無力につけこんで操り、野心溢れる若い血族は旧体制に安穏としている長老の権力を狙う。老いることを知らぬ血族の暗闘は、何百年、何千年にもわたってあらゆる所で続けられる。複雑に絡み合う陰謀の網と、自らが操られているとも知らず争い続ける血族たち。

この戦いは、誰がいつ始めたのか。誰が誰の味方なのか――もはや誰にも判らない。

唯一確かなのは、この戦いから逃れられるヴァンパイアはいない、ということ。ジハドは永劫に終わらない。

プレイヤーはそんなヴァンパイアの一人となって、陰謀渦巻く永遠の夜の世界を生き抜いていくことになる。

3.2 ヴァンパイアの氏族は誰が作ったのですか?

ヴァンパイアには日本語版ルールブックでは紹介されていない氏族や、氏族からさらに枝分かれしてその血筋固有の特徴を代々受け継ぐようになった小氏族というべき「血脈」が数多く存在します。どうせですから、それらも含めて紹介しましょう。『ヴァンパイア・ザ・マスカレード日本語版』および『ガイド・トゥ・カマリリャ』で既に紹介されている氏族には☆をつけておきます。その他の氏族や血脈の日本語表記は、原則として原語の発音に近いカナ表記にしています。将来日本語版サプリメントが出た場合の訳語とは食い違う可能性が考えられますのでご了承ください。

氏族の創始者(Clan Founder)に関する情報は、さまざまなサプリメントに曖昧に書かれているだけなので、必ずしも下記の情報が事実とは限りません。創始者の性別は、男性と推定される者には(♂)、女性と推定される者には(♀)を付記してあります。以下の紹介は alt.games.whitewolf FAQ を参考に作成しております。特に [] 内に出典の記載のないものは、対応する Clanbook または Libellus Sanguinis から引用されています(書名は略号表記です。末尾にまとめて解説があります)。

第1世代

カイン Cain (♂)

第2世代 [Book of Nod]

エノク Enoch (♂)
チラ Zillah (♀)
イラド Irad (♂)
〈妖婆〉 The Crone (♀)
〈王〉と〈女王〉[Clanbook: Assamites]
テュポン Typhon [WoD: Mummy] もおそらく第2世代と推定される。

第3世代と、かれらが創始した氏族

(反氏族:として特記がないかぎり、氏族と反氏族に特徴の差はない)
(一部の第3世代は複数の名で知られている)

アサマイト(Assamite) ☆

創始者:ハキム Haquim (♂)

一部のアサマイトはハキムが第3でなく第2世代であると主張している。ハキムは現在、氏族の直接の指導者ではないが、トレメール氏族がアサマイト氏族そのものにかけた「血族の血を飲めない」という呪縛をうち破るのに関与していたとされる。

反氏族:1943年のソーンズ会合条約によるトレメールの呪詛から、1998年の呪縛解放までは、トレメールの呪縛を逃れてサバトに加わった、血族の血を飲める反アサマイトが独立した血脈として存在した。普通のアサマイトも血族の血を飲めるようになった1998年以降は、アサマイトと反アサマイトに実質的な差異はない。

血脈:ヴァジャ Viziers ――《魔術》の訓えを使うアサマイト集団。

カッパドキアン (Cappadocian)

創始者:カッパドキウス Cappadocius (♂)

おそらくアッシュール (Ashur) と同一人物。アウグストゥス・ジョヴァンニ(Augustus Giovannni) に同族喰らいされる。[V:tDA]

アウグストゥス・ジョヴァンニが1444年にカッパドキウスを同族喰らいして以来、ジョヴァンニ氏族はカッパドキアンとラミアを粛清してきたが、僅かな残党が生き延びている可能性は考えられる。

血脈:
ラミア Lamia ―― 全員が女性の血脈。カッパドキアンの衛兵的存在であった。リリスの道 (Path of Lilith) を崇拝していたとされる。後にジョヴァンニ氏族に滅ぼされる [DAC]

ジョヴァンニ Giovannni ☆ ―― 暗黒時代に死霊術師の一族の長が抱擁されたのが始まり。《死霊術》の訓えを考案した。[CB: Cappadocian]

ブルハー (Brujah) ☆

創始者:トロイレ Troile (?) [V:tM, V:tDA]

元来の創始者はアンテデルヴィアンのブルハーであるが、トロイレに同族喰らいされた。正確な時期は不明だが、カルタゴ陥落以前のことである。トロイレはカルタゴ崩壊時の狂乱からついに醒めないまま、現在はカルタゴの廃墟の地下で休眠中といわれる。かの廃墟に塩がまかれたのは、おそらくトロイレを休眠状態のまま封印するための儀式魔術の一環だったのだろう。トロイレはブルハー氏族の創始者とされるが、氏族の名の元になったブルハーはトゥルー・ブルハー (True Brujah) の創始者である。

血脈:トゥルー・ブルハー (True Brujah) ――トロイレに喰らわれたブルハーの直系の継嗣。ゆえにトロイレの血はひいていない。感情を持たず、Tempolis という時間を操る訓えを使う。[DSotBH]

セトの信徒 (Followers of Set) ☆

創始者:セト Set (♂) [V:tM, V:tDA]

ステク (Sutekh) と名乗っていた時期もある。兄オシリス (Osiris) により砂漠に追放された後〈抱擁〉を受けた。のちに帰還してオシリスとその継嗣 (オシリスの子ら(The Children of Osiris)) と争う。また、人狼のサイレント・ストライダー部族(Silent Strider)、マミー(Mummy) のホルス (Holus)、バステト(Bastet) のブバスティ部族 (Bubasti)とも戦った。オシリスは滅ぼされ、セト人たちはオシリスの子らも全滅したと考えている。

血脈:
闘士の一派 (Warriors) ☆――《隠惑》の代わりに《剛力》を学ぶ。独自の〈闘士の道 Path of the Warrior〉を歩んでいる。

ギャンレル (Gangrel) ☆

創始者:エンノイア Ennoia (♀) [V:tM, V:tDA]

エンノイアはリリスの孫娘といわれる。ギャンレル氏族はリリスをあらゆる変身種族の母と考えている。また、ラヴノス氏族の創始者を〈抱擁〉したのはリリスであるとも信じている。

血脈:
リアノン (Lhiannon) ―― 現代では絶滅した、ほぼ女性ばかりの血脈。その身に血で紋様を描くことにより、精霊や霊地の力を引き出す能力を持っていた。[DAC]

街ギャンレル (City Gangrel) ☆ ―― サバトのみ。他のギャンレルと異なり、都市生活に順応している。[GttS]

アーリマン (Ahrimanes) ―― サバトのみ。女性のみ。ギャンレルから儀式魔術によって創造され、〈抱擁〉によって継嗣を創ることはできない。動物の精霊の力を操る。[SHttS]

海ギャンレル (Mariners) ――水中に棲むギャンレル。[Blood Dimmed Tides]

ジョヴァンニ (Giovanni) ☆

創始者:アウグストゥス・ジョヴァンニ Augustus Giovanni (♂) [V:tM]

カッパドキアンの創始者カッパドキウスの子だが、〈父〉を同族喰らいして第3世代になり氏族を創始した。現在も氏族の指導者として君臨している。時代が経つにつれ氏族の訓えは本来のカッパドキアンのそれとはかけ離れてきた。アウグストゥスがラミアを喰らった後は、弱点も変化している。

血脈:なし

ラソンブラ (Lasombra) ☆

創始者:ラソンブラ Lasombra (♂) [V:tM, V:tDA]

大叛乱 (Anarch Revolt) で死亡。どうやら自分の子、グラティアーノ (Gratiano) に同族喰らいされたらしい。

血脈:キアシド (Kiasyd) ―― 妖精と「地下世界の神」の血を用いてラソンブラから実験的に創造された血族。[GttS, LS1]

マルカヴィアン (Malkavian) ☆

創始者:マルカヴ Malkav (♂) [V:tM, V:tDA]

マルカヴの現在の所在については、中東から南極まで様々な噂が飛び交っている。アリケル(Arikel) とは双子の兄弟らしい。

血脈:一部のマルカヴィアンは《発狂》ではなく《支配》を氏族の訓えとして保持している。大叛乱終結から1998年までは、《発狂》を使うのは反マルカヴィアンだけであった。

反氏族:狂乱への抵抗の判定難易度が高くなる。

ノスフェラトゥ (Nosferatu) ☆

創始者:ノスフェラトゥ Nosferatu (♂) [V:tM, V:tDA]

別名アブシミリアード (Absimiliard)。己の「父」(おそらくカインの妃、チラ)を殺した罪でカインに醜貌の呪いをかけられた。ノスフェラトゥの子のうち、一人を除いて全員がノスフェラトゥに血の契りで縛られ、ニクトゥク (Nictuku)と呼ばれている。ニクトゥクは唯一血の契りを逃れた血筋であるノスフェラトゥ氏族を滅ぼそうと画策しているという。

血脈:なし

ラヴノス (Ravnos) ☆

創始者:ラヴノス Ravnos (♂) [V:tM, V:tDA]

ラヴノス氏族の説によれば、太祖ラヴノスは第2世代でエンノイアの〈父〉であるという。ジプシーに伝わる別の話では、ラヴノスはヴァンパイアの血とジプシーの母の血を用いて抱擁されたといわれる。

血脈:
フュリダ (Phurae Dae) ――ジプシーの占い師の一家から創造された。

ウーメン (Urmen) ――どちらかといえば妖精に近いと自称している。

ヴリトラ(Vritra) と カルデラッシュ (Kalderash) ――支那鬼と関係があるらしい。

サルブリ (Salubri)☆

創始者:サウロット Saulot (♂) [VSC, DAC]

トレメールに喰らわれて死亡。サウロットはその訓えの一部を東洋の吸血鬼から学んだ。中世暗黒時代には氏族固有の訓え《Valeren》には2つの系統があった。サミエル(Samiel)と呼ばれるサルブリが〈戦士の道 the Warrior Path〉を創始したが、他の者は〈癒し手の道 the Healer Path〉に従った。太祖トレメールがサウロットを喰らった後、トレメール氏族はサルブリ氏族を討伐した。〈癒し手〉だけがわずかに生き残り、彼らの訓えが後に《霊癒 (Obeah)》となった。

反氏族:反サルブリは現代もなお存在しつづけている。どちらかといえば中世の〈戦士〉サルブリに近く、〈戦士〉と同じ系統の《Valeren》を操る。[GttS]

トレアドール (Toreador)☆

創始者:アリケル Arikel (♀) [V:tM, V:DA]

マルカヴ (Malkav) と双子のきょうだいだと信じられている。

反氏族:美に魅了される欠点をもたないかわりに、しばしば苦痛を負わされることに耐えられない。

トレメール(Tremere)☆

創始者:トレメール Tremere (♂) [V:tM, V:DA]

トレメール氏族はもともと人間の魔術師の集団であったが、その一部がツィミーシィの血を用いた儀式魔術を行なってヴァンパイアになった。トレメール氏族は必ずしも筆頭魔術師トレメールの末裔というわけではなく、儀式によって転化したヴァンパイアたちのうち誰かの血筋である。後のトレメール氏族は通常どおり《抱擁》で創造された。

血脈:テリアヴェリック・トレメール (Telyavelic Tremere) ――ペイガン流の魔術を実践していた血脈。16世紀に粛清された [LS2]

ツィミーシィ (Tzimisce) ☆

創始者:大ツィミーシィ Tzimisce, The Eldest (♂) [V:tM, V:tDA]

〈大叛乱〉で死んだと思われていたが、実は生きのびてグール筋 (Revenant Family) のザナトーサ (Zanatosa) 家に護られているという。しかし、詳細はいまなお不明。

血脈:
ブラトヴィッチ (Bratovitches) ―― 同名のグール筋から《抱擁》により創造された。

コルドゥーン (Kolduns) ―― 《魔術》に似た《コルドゥーン魔術》を使う。

古ツィミーシィ氏族 (Old Clan Tzimisce) ―― ツィミーシィの本家と自認しており、《造躯》の訓えは未知の寄生体がもたらしたものと信じている。他のツィミーシィからは何か勘違いしている愚か者と思われている。

ヴェントルー (Ventrue) ☆

創始者:ヴェントルー Ventrue (♂)(死亡?) [V:tM, V:tDA]

別名ヴェッダーサ (Veddartha)。おそらくはすでに死亡している。犯人はブルハー氏族の一人と考えられている。

血脈:なし

血脈

他にも主要氏族の単なる亜流とはいえなかったり、起源がどの氏族かはっきりしなかったりする血脈が存在する。

バーリ (Baali) [V:tDA, DAC, SH, CF]

創立にまつわる伝説は数多く、関与したとされる者も、アッシュール(Ashur)、シャイターン(Shaitan)、ネルガル(Nergal)、モレク(Moloch)、サルブリ、《抱擁》されたネファンディ(Nephandi) など様々な説がある。バーリは悪魔崇拝者の集団である。

ブラッド・ブラザーズ (Blood Brothers) [GttS]

ツィミーシィ氏族と反トレメールの実験の産物。サバトにしかいない。常に数人の集団で行動し、メンバーはお互いに群集心理によく似た精神状態にある。

オシリスの子ら (Children of Osiris) [HH]

元来オシリスというヴァンパイアの継嗣の集まりだったが、現代では人間性 (Humanity) の維持を奨励するセクトになっており、他の氏族や血脈の者を積極的に受け入れている。

不協和音の娘☆ (Daughters of Cacophony) [VSC]

トレアドールかラミア、もしくはマルカヴィアンの末裔と考えられる。歌で聞く者を狂気に陥れる特殊な訓えを使う。

ガーゴイル☆ (Gargoyles) [GttC, BSS]

トレメール氏族の魔術により番人として創造された。特殊な儀式の数々で魔力を増強されたが、徐々にその魔力を吸収してついには主人であるトレメール氏族に反逆した。《抱擁》によって創造された者もいるが、今でも一部は《魔術》的手段によって創造されている。

髑髏の使者 (Harbingers of Skulls) [GttS, CB:Giovanni]

最近サバトに加わった血脈。構成員は歳を経た者ばかりである。カッパドキアンと共通点が非常に多く、おそらくはカッパドキアンの末裔なのだろう。

ナーガラージャ [DSotBH]

《抱擁》を受けたユーサネイトス (Euthanatos) 派のメイジが創始した。レイスを操ったり、エントロピーの力を操ったりする。

サメディ☆ [VSC, CB: Cappadocian, CB: Giovanni]

もしかしたら、生ける屍のようなサメディはカッパドキアンの生き残りの末裔なのかもしれない。

本の略号

V:tM - Vampire: The Masquerade (Revised Edition) (=ヴァンパイア:ザ・マスカレード日本語版)
VSC - Vampire Storytellers Companion
GttC - Guide to the Camarilla(=ガイド・トゥ・カマリリャ)
GttS - Guide to the Sabbat
SH - Storytellers Handbook
SHttS - Storytellers Handbook to the Sabbat
CF - Chaos Factor
HH - Hunter Hunted
DSotBH - Dirty Secrets of the Black Hand
V:tDA - Vampire the Dark Ages
DAC - Dark Ages Companion
BSS - Book of Storyteller Secrets
LS1 - Libellus Sanguinis 1
LS2 - Libellus Sanguinis 2

3.3 ケイティフはどうして発生するの?

人間は〈抱擁〉を受けてヴァンパイア化すると、〈父〉と同じ氏族の能力や弱点を発揮するようになります。始祖カインから枝分かれしたアンテデルヴィアンがみな各自の氏族を創始したとすれば、ヴァンパイアは皆いずれかの氏族に属するはず。

ならば、現に今、どの氏族にもあてはまらない「ケイティフ」が存在する事実はどう説明すればよいのでしょうか?

ケイティフが発生する原因については主に2通りの説があります。

説1)血が薄くなりすぎて、〈父〉の氏族固有の能力や弱点をうけつぐ力が足りなかった。

この説をとるなら、ケイティフは例外なく世代が比較的新しいはずです。

説2)氏族の弱点や特殊能力は、たいてい訓練によって身につくものである。〈抱擁〉を受けたものの、何らかの事情で氏族に迎え入れてもらえなかったために、氏族固有の弱点や能力を獲得できなかった。

この解釈をとるなら、どんな世代のケイティフがいてもおかしくない、ということになります。どちらかといえば「社会的」な弱点を持つ氏族(ブルハー、トレアドール、トレメール)にはぴったりあてはまりますが、「肉体的」な弱点を持つ氏族(マルカヴィアン、ギャンレル、特にノスフェラトゥ)については少々説明しづらい。

おそらく、どちらの理由でもケイティフは発生しうるのでしょう。もう一つ、故意にケイティフを創造する方法として、ヴァンパイアを創造するときに複数の〈父〉を持たせるというものがあります。つまり、新たにヴァンパイアを〈抱擁〉する際、通常は一人のヴァンパイアが自分の血を飲ませるのですが、その代わりに氏族の異なるヴァンパイアの血を混ぜ合わせて与えるのです。この手口は初期のサバトで盛んに行なわれましたが、後にサバトの掟が変わって禁止になりました。

3.4 ヴァンパイアが○○(ここに好きな生物を入れよ)を〈抱擁〉したら?

試すだけならどんな生き物でも……と、意地悪を言うのはやめましょうか。超自然の存在を〈抱擁〉した場合、様々な副作用が生じます。

ガルゥ (Garou) は〈忌まわしき者(Abomination)〉とよばれる吸血ワーウルフに転化しますが、十中八九はその前に苦しみながら死んでしまいます。〈忌まわしき者〉に変化するのは、霊力 (Gnosis) 判定を難易度6、修正なしで行ない、大失敗したときだけです。

〈忌まわしき者〉はヴァンパイアとワーウルフ両方の長所と短所を併せ持ちます。人間性の代わりに霊力の原点を代用します。非道な行ないをすれば、人間性の代わりに霊力の原点を喪失してゆくのです。そして、ヴァンパイアの人間性と異なり、〈忌まわしき者〉は霊力原点を失っても、絶対に取り戻すことはできません。さらに「ハラノ」と呼ばれる鬱に苦しみ、ガイアに仕える精霊たちからは忌み嫌われてしまいます。

〈忌まわしき者(Abomination)〉についての詳細は、『Werewolf Players Guide Second Edition (WW3108)』を参照してください。

他の変身種族の場合、結果は様々です。バステット (Bastet) はガルゥに準じますが、1ヶ月ごとに霊力の原点を1点喪失します。コーラックス (Corax) は日の出とともに死亡します。モコーレ (Mokol) も同様ですが、おそらくその前にひと暴れするでしょう(笑)。キツネ (Kitsune) は爆発炎上しますが、ヌウィシャ (Nuwisha) にはそもそも〈抱擁〉自体が無効です。詳細は対応する Changing Breed Book か、『Werewolf Players Guide Second Edition (WW3108)』を参照してください。

メイジ (Mage) やソーサラー (Sorcerer) は魔法が使えなくなりますが、《魔術》の才能を示すことが多いようです。詳細は『Mage Players Guide』と『World of Darkness: Sorcerer』を参照してください。

心霊術 (Psychic Phenomena) を修得した人間 (Mortal) は、それを使えなくなります。ただし、〈真の信仰 (True Faith)〉は必ずしも失われるとは限りません。しかし〈抱擁〉は人の信仰に対する厳しい試練となるでしょう。

チェンジリング (Changeling) もしばしば死んでしまいます。グラマー (Glamour) 判定(難易度は〈父〉の凡庸性 (Banality)+2)に成功した者だけが、妖精の本性を忘れて普通のヴァンパイアになります。詳細は『Changeling Storytellers Guide (WW7009)』を参照してください。

マミー (Mummy)、レイス (Wraith)、リズン (Risen) には〈抱擁〉そのものが無効です。

動物は、古い第2版ルールでは〈抱擁〉可能でした。理性がないため、普通はごく短期間しか生き延びられないが、可能性としては存在しうるとされていたのです。こうした動物の血族の世代は、〈父〉より3世代隔たっているものと見なしました。

最新のリバイスド版(日本語版のベース)では、動物は〈抱擁〉されても、単に死んでしまうだけです。

3.5 Kindred of the East (KoE) とは何ですか?

『Kindred of the East』(WW2900)は、Year of Lotus と呼ばれるオリエンタル色の極めて強いWoD製品群の一つです。内容は題名の通り、東洋のヴァンパイアをゲームに導入するものです。

本書によれば、東洋には血族と起源も性質も異なる「鬼人(Kuei-Jin)」というヴァンパイアが存在することになっています。鬼人は、いったん死んで「黄泉 (Yomi Worlds)」と呼ばれる地獄に堕ちた魂が、再び自分の肉体に戻ってきて蘇生したものです。たいていは血を飲んで永らえていますが、「気」(いわゆる精気)を盗み取れさえすれば、他の手段でも存在を維持できますので、必ずしも「吸血鬼」らしくはありません。鬼人が使う特殊能力は、〈父〉の血から受け継ぐのではなく、年齢と悟りによって身につけるものです。

鬼人と血族はほとんど交流がありませんが、地方によっては激しく敵視しあっているところもあります。

『Kindred of the East』は分厚いハードカバーなので勘違いしやすいのですが、基本ルールは含まれていないので、単独では遊べません。『Vampire: The Masquerade』本体ルールが必須です。

3.6 Vampire: the Dark Ages って何ですか?

『Vampire: The Masquerade』は現代を舞台にしていますが、『Vampire: the Dark Ages(以下V:tDAと略)』はそこからおよそ800年前に舞台を移したTRPGです。V:tMとは独立したゲームですので、V:tMのルールブックが無くても遊ぶことができます。

時は中世暗黒時代 (Dark Age)。まだヴァンパイアが人間に正体を隠す必要がなく、仮面舞踏会の掟が存在しなかった頃の世界です。もちろん、V:tMに登場するカマリリャやサバトなどという派閥は未だ生まれてもいません。この時代のヴァンパイアはたいてい地方領主や大公として堂々と君臨していました。

V:tMと同じヴァンパイアを主人公に据えたTRPGですが、吸血鬼が吸血鬼であった古き時代を背景にしているため、一風違った雰囲気を楽しむことができます。V:tMに登場する各氏族の過去の事情を垣間見ることもできますしね。

4.Werewolf: The Apocalypse

4.1 Werewolf: the Apocalypseはどんなゲームですか?

この地球は滅びに瀕している。
空は汚され、緑は失われ、水は濁り、人は殺し合う。
均衡を司る大いなる存在〈ワーム〉が狂ったときから、それは始まった。
いまやワームは世界――ガイア――を食らいつくさんとする邪悪な力となった。
母なる大地が身を守るために創造した生物こそワーウルフである。
狼の力と人の知恵をあわせもつ彼らの歴史は、人類発祥よりもなお古い。
何千年にもわたってワーウルフはワームのしもべと血みどろの暗闘を続けてきた。

しかし、現代――
ワームは人類をも利用して地球滅亡を達成しようとしている。
立ち向かうワーウルフの数はあまりにも少ない。
それでも彼らは最後の一人まで戦い続けるだろう。
黙示録の予言が成就する、終末の日が訪れるまで……

ワーウルフ (Werewolf) は滅びゆく種族です。強大で邪悪な存在「ワーム (Wyrm)」と永劫に戦い続ける宿命を背負っています。半ば人間、半ば狼たるワーウルフは、意のままに狼や人間、恐るべき人狼に姿を変えて、超人的な戦闘能力を発揮するのです。

民間伝承と異なり、ワーウルフは狼に噛まれて奇病にかかった人間でも、変身術を使う魔法使いでもなく、初めからワーウルフとなるべく生まれてきます。ワーウルフは数多の部族に分かれていますが、互いに古い確執を抱えており、ワームだけでなく他の部族とも頻繁に争います。

プレイヤーはワーウルフの一人として、滅亡に瀕した現代の地球を救う戦いに身を投じます。ワームのしもべはありとあらゆる所にひそんでいます。地下深くに棲む異形の怪物もいれば、巨大企業の重役として人間社会に影響力をふるう者もいるのです。

母なる女神ガイアは、ワーウルフに厳しい戦いを生き抜く力を与えました。あらゆる傷を再生する強靱な肉体、鉄板をも貫く鋭い爪と牙、精霊と語り使役する霊力。WoDシリーズの他ゲームと比較してもワーウルフの戦闘力はずば抜けています。まさしく戦うために生まれてきた存在なのです。

しかし、ワーウルフは人として暮らすことはできても、人と解りあえることは決してありません。人間に正体を明かすことは掟で固く禁じられ、ワームを倒すためには時として人間さえ手にかけねばならないのですから。

誇り高くも哀しき戦士、それがワーウルフです。

4.2 変身種族(Shapeshifter)にはどんな種族がいますか? ガルゥ以外もやはり部族に分かれているのですか?

アナナシ Ananasi (東洋ではクモ Kumo)

種別:ワースパイダー(クモ人間)

部族:
スケイン・スパイダー (Skein-Spiders) ―― ウィーバーに仕えている。最も一般的。
ハタル (Hatar) ――ワーム(Wyrm) に仕えている。
クモティ (Kumoti) ―― ワイルド (Wyld) に仕えている。

※ハタルとクモティは東洋では「クモ (Kumo)」として同一部族とみなされている。

コーラックス Corax(東洋にいるのはテング Tengu)

種別:ワーレイヴン(カラス人間)

部族:一部の者はワームに仕えており、バザード(Buzzard、ノスリの意)と呼ばれている。

バステット Bastet

種別:ワーキャット(ネコ人間)

部族:ネコ科のどの動物に変身するかで分かれる。
バギーラ (Bagheera) ―― 豹に変身する部族。
バラム (Balam) ―― ジャガーに変身する。
ブバスティ (Bubasti) ―― 古代エジプトで崇拝されていた山猫の一種に変身する。
カーン (Khan) ―― 虎になる。
プモンカ (Pumonca) ―― ピューマになる。
クワルミ (Qualmi) ―― オオヤマネコになる。
シンバ (Simba) ―― ライオン。
スワーラ (Swara) ―― チーター。

ガルゥ Garou

種別:ワーウルフ(オオカミ人間)

部族:崇めるトーテムに基づいて分かれる。同じ部族なら同じ民族・地方に先祖をもつことが多いが、同じ思想に共鳴する者同士で部族を形成しているところもある。

ブラック・ヒューリー (Black Furies) ―― 女性のみで構成される。女性やワイルドの聖地を護る。
ボーン・ノーア (Bone Gnawers) ―― ストリートで浮浪者暮らしをしており、街の噂に耳ざとい。
チルドレン・オブ・ガイア (Children of Gaia) ―― ガルゥ随一の穏健派。諸部族の調和と団結を唱える。
フィアナ (Fianna) ―― ケルト民族の血をひく部族で古代伝承の権威。酒と女と喧嘩をこよなく愛する。
ゲット・オブ・フェンリス (Get of Fenris) ―― 北欧起源の好戦的な部族。別名、ガルゥの特攻隊長。
グラス・ウォーカー (Glass Walkers) ―― 人類の機械文明に興味を抱き、都市に適応した部族。
レッド・タロン (Red Talons) ―― 地球を滅亡から救うため人類を撲滅すべきと唱える過激派。
シャドウ・ロード (Shadow Lords) ―― 非情なまでの実力主義を貫く誇り高い部族。ガルゥの指導者の座を狙う。
サイレント・ストライダー (Silent Striders) ―― 呪われて故郷を追われ、絶えず流浪する宿命の旅人たち。
シルバー・ファング (Silver Fangs) ―― 13部族の指導者を自認する。英雄の血筋を守るため近親婚を重ねている。
スターゲイザー (Stargazers) ―― 瞑想と自己鍛錬に重きをおく。獣人武術「カイリンドウ」を使う。
ウクテナ (Uktena) ―― アメリカ先住民の血をひき、強力な呪術の秘儀に通じる「魔法使い」。
ウェンディゴ (Wendigo) ―― アメリカ先住民起源。かつて北米を支配していたが白人開拓者に土地を追われ、復讐を誓っている。

また、3つの部族がすでに滅亡している。

バンイップ (Bunyip) ―― オーストラリア先住民のガルゥであったが、白人入植者のガルゥに全滅させられた。
クロアタン (Croatan) ―― ワームの強力なしもべを封印するため、部族全員が命を犠牲にして滅びた。
ホワイト・ハウラー (White Howler) ―― 昔、部族総出でワームの巣窟を掃討に入ったが、逆に自分たちがワームのしもべにされてしまった。現在はワームに仕えて他のガルゥと敵対しており、ブラック・スパイラル・ダンサー (Black Spiral Dancer) として知られる。

グラール Gurahl

種別:ワーベア(クマ人間)

部族:変身するクマの種によって分かれる。

リバー・キーパー (River Keepers) ―― アラスカグマに変身する。
マウンテン・ガーディアン (Mountain Guardians) ―― グリズリー(灰色熊)に変身する。
フォレスト・ウォーカー (Forest Walkers) ―― アメリカクロクマ。
アイス・ストーカー (Ice Stalkers) ―― ホッキョクグマ。

キツネ Kitsune

種別:ワーフォックス(キツネ人間)

モコレ Mokole(東洋のジョンロン(中龍) Zhong Lungに対応)

種別:ワークロコダイル/アリゲーター/リザード(ワニ人間/トカゲ人間)

ナーガ Nagah

種別:ワースネイク(ヘビ人間)

ヌウィシャ Nuwisha

種別:ワーコヨーテ(コヨーテ人間)

ラットキン Ratkin(東洋ではネズミ Nezumi)

種別:ワーラット(ネズミ人間)

ロケア Rokea(東洋ではサメビト Samebito)

種別:ワーシャーク(サメ人間)

東洋の変身種族の中には、対応する西洋の種族と微妙に異なるものもいます。単に呼称だけが違う種族もあれば、実際に差異がある種族もあります。東洋での呼称は()内に示しました。

西洋の変身種族に関する詳しい情報は『Werewolf Players Guide 2nd Edition (WW3108)』に載っています。

東洋の変身種族に関する情報は『Hengeyokai: Shapeshifters of the East (WW3063)』に載っています。

4.3 月食の日に生まれたワーウルフの宿月 (auspice) はどうなるの?

この問題については一致した見解はないようです。以下のような説が色々と出ています。

月食はせいぜい1時間程度しか続かず、しかも満月の日にのみ起こるのですから、月食の時にワーウルフが生まれるというのは非常に珍しい事態というべきでしょう。

Werewolf: The Apocalypse のトレーディングカードゲーム『Rage』には、月食の時に生まれたキャラクター、John Hidden Moon(隠れ月のジョン)が登場します。John はアーローンで、特殊能力は「月食のあいだでも、Ahroun Giftを使用できる」です。『Rage』では通常、月食 (Lunar Eclipse)のあいだは Auspice Gift を使用できないからです。

4.4 ワーウルフが妊娠した場合、子供の出生 (Breed) や部族 (Tribe) はどうなるの?

人間が産んだガルゥは人腹 (Homid)。狼が産んだガルゥは狼腹 (Lupus)。そう考えると、ガルゥが産んだガルゥは? と行き詰まってしまいますね。片親が非ガルゥなら忌み腹 (Metis) ではないし、ちょっと考えにくいですが、人間のお父さんと、狼腹ガルゥのお母さんの間に産まれた子供は……さて、狼腹か、人腹か?

結論からいうと、ワーウルフの母親から産まれたワーウルフの出生は、母親に準じます。部族については、父親が人間か狼なら考えるまでもありませんね。困るのは、両親共にワーウルフのときだけです。この場合、父方か母方か、両親が選んだほうの部族が子供をひきとり、その部族の一員として育てます。忌み腹がいかに蔑まれ侮辱されるかを思えば、これは頭の痛い選択になるでしょう。

4.5 ホワイト・ハウラー、クロアタン、バンイップについてもっと詳しく知りたいんですが……

初めに念頭に置いてもらいたいのは、3部族とも公式設定では滅亡しているということです。現在、これらの部族で地上を歩いている者は一人もいません。しかしながら、「黄金律」にのっとって、あなたがSTの時にゲームに登場させるのはいっこうに構いません。たとえばこうした部族が絶滅する以前の、過去の時代を舞台にしたシナリオで遊ぶのなら、登場してもおかしくないでしょう。

しかし、ホワイト・ハウラー (White Howler)、クロアタン (Croatan)、バンイップ (Bunyip) に関して入手できる情報はあまり多くありません。ホワイト・ハウラーについては『Book of the Wyrm (WW3109)』で少しだけ言及されています(主にブラック・スパイラル・ダンサー誕生の経緯を説明するためですが)。『Chronicle of the Black Labyrinth (WW3404)』では、ホワイト・ハウラーと明示されていないものの、堕落前の様子を垣間見ることができる記述があります。また、現代に生き残ったホワイト・ハウラーのキンフォークについて『Kinfolk: Unsung Heroes (WW3074)』に少し説明があります。公式設定ではホワイト・ハウラー族のギフトは全て失われたとされており、現代に復活させるのは極めて困難でしょう。

ホワイト・ハウラー族の血を引くキャラクターをゲームに登場させることは可能ですが、部族に属するにはまずその部族のトーテム精霊に受け入れられなければいけません。しかしハウラー族のトーテムであるライオンは、もはや新たなハウラーを受け入れないでしょうから、事実上、属すべき部族がないということになります。他の部族に受け入れてもらうか、ローニンになるしかないでしょう。『Werewolf Players Guide 2nd Edition (WW3108)』には、ブラック・スパイラル・ダンサー族でありながら、何かの拍子にホワイト・ハウラー本来のあり方に立ち戻った「ダンサー・ローニン (Dancer Ronin) 」というガルゥたちを扱うルールが紹介されています。

バンイップ関連の情報は、『Rage Across Australia』(Rage Across the World 2 (WW3070) 所収) と『Wild West Companion (WW3704)』にかなりまとまった量で載っており、現在でも修得可能な部族ギフトのリストもあります。クロアタンについては『Inphobia』マガジン56号の「Croatan Tribebook」という記事に、ギフトのリストも含めた紹介が載っていたようです。『Wendigo Tribebook (WW3078)』にも簡単な説明とギフトのリストがあります。

4.6 Werewolf: the Wild West とはどんなゲームですか?

その名の通り、Werewolf: The Apocalypse の背景設定を現代からそのままアメリカの西部開拓時代に移したゲームです。W:tAとは独立していますので、W:tA本体ルールがなくても遊ぶことができますが、Werewolfそのものを理解するためにやはりW:tAルールブックはあったほうが良いでしょう。

W:tWWの時代は、ガルゥ対ガルゥの争いの時代でもあります。新大陸の領土やケルン(Caern) を巡って、ウクテナ・ウェンティゴの先住民系部族と、開拓者と共に海を渡ってきた他の部族が衝突するのです。キンフォークとキンフォークが争い、開拓者は先住民と戦い、そしてガルゥとガルゥも戦います。しかし敵はお互いだけではありません。ストーム・イーター (Storm Eater) という強力な精霊が勢力を伸ばし、その存在そのものがアメリカ西部の精霊界を脅かすまでになっています。また、もちろんワームのしもべたちも、穢れを知らぬ新大陸を蹂躙しようと手ぐすねひいているのです。

5.Wraith: The Oblivion

5.1 Wraith: The Oblivionはどんなゲームですか?

普通のTRPGでは、PCが死んでしまったら、そこでゲームは終わりです。
しかし『Wraith: The Oblivion』では、なんとPCが死んだ時点からゲームが始まります。
なぜなら、このゲームでプレイヤーが演じるのは「レイス(Wraith)」――亡霊なのです。

レイスは亡霊、死後もなお現世に執着する人間の魂です。レイスが棲まう霊の世界は、シャドウランド(Shadowlands)と呼ばれており、生者の世界にきわめて近いけれど全く接点のない所です。レイスはここから生者の世界で起きるあらゆる物事を見聞きできますが、実体を持たないので、何にも触れることができません。レイスは〈忘却 (Oblivion)〉の力に怯えながら暮らしています。〈忘却〉は絶えずレイスの魂を破滅に引きずり込もうとするからです。

愛する子供。憎むべき宿敵。言えなかった言葉。守れなかった約束。

そうした未練こそレイスの存在理由、力の源なのですが、それは本来たどるべき死の過程をさまたげ、この世に縛りつけている鎖でもあります。

だからWraith: the Oblivionにおけるキャラクターの目的はじつに千差万別です。

未練を〈超越〉し、あの世へ至る道を模索するか。
未練が朽ち果て、年老い、滅びるまで永遠に見守り続けるか。
生前に得られなかったものをシャドウランドで求めるか。

選ぶのはあなた次第です。ただ、確実に言えることは一つ――
最大の敵は、あなたの中にいます。

5.2 レイスはどんなものでも通り抜けられるの?

第2版ルールによれば、レイスは「普通の人間がぶつかったら怪我をする物体」と衝突したとき、非実体化します。コーパス1点を失いますが、物体はレイスを透過してしまいます。普通の人間ならぶつかっても怪我しないような物体(雨や紙飛行機など)は、ただレイスを透過するだけで、非実体化を引き起こしません。

5.3 Risen とは何ですか?

Risen とは、レイスが自分のシャドウ(Shadow)と取引して生前の肉体を取り戻し、スキンランド(Skinland)つまり生者の世界に舞い戻った存在です。特定の目的を達するためというのが多いようです。Risen は特殊なアルカノイ(Arcanoi)を使うほか、ヴァンパイアの訓えのうち〈瞬速〉〈剛力〉〈頑堅〉〈隠惑〉を修得することもできます。

5.4 ヴァンパイアやワーウルフが死後レイスになることは可能ですか?

理論的には、どのような超自然的存在もレイスになりえます。全ての特殊能力を失ってしまいますが、〈真の信仰〉だけは例外的に残ることもあります。

ヴァンパイア:レイスになっても6レベル以上の能力や技能が5レベル以下に下がることはありません。

鬼人(Kuei-jin):普通はまっすぐシャドウランド以外のどこか、おそらくは〈忘却〉へ消えてしまいます。

変身種族(Werecreatures):普通はシャドウランド以外のどこかに行って祖霊(Ancestor Spirit)になります。レイスになるのはワームに穢された(tainted) 変身種族だけです。

チェンジリング(Changeling):普通はレイスにならず転生します。ただし、「冷たい鉄」で殺された場合は例外です。

フォモーリ(Fomori):レイスになる可能性はありますが、一部はファンタズミ・ベイン(Phantasmi Bane)になります。

5.5 Wraith: the Great War はどんなゲームですか?

Wraith の時代背景を第一次世界大戦直後に移した「オールド・スタイル」のゲームです。基本ルールが含まれていないので、実際に遊ぶには『Wraith: the Oblivion』本体ルールが必要になります。(白石様の情報提供に感謝します)

6.その他の質問

6.1 Wraithコーナーの記事はいつできるんですか?

それは聞いてはならない質問です(笑)

6.2 「骰子」って何と読むんですか?

「さいころ」と読みます。
「ぎょうざ」ではありません。字は似てますが。
昔は動物の骨でできていたので「ほねへん」なのです。

6.3 Professorって何者ですか?

社会に混乱を招くため自叙伝を書くのは30年待てと言われています。
それまではひみつです。

6.4 もったいぶらないでください。

仕方ありませんな。
キム・ニューマン『ドラキュラ紀元』(創元推理文庫)、571頁の最後4行をごらんなさい。

……ははは、おっかない目で睨まないでくださいよ。
ちかごろ自分がいったい何モノなのかさっぱり判らなくなってましてね。
まあとりあえず、女と博打以外のものには大抵手を出した人間の屑とでも思ってください。
全ての能力値が3d6の半分です。

6.5 ほんとに教授なんですか?

一部の人間からそう呼ばれていることだけは確かです。